道風(とうふう)の筆(ふで)といふ朗詠集(らうゑいしう)の嘲(あざけり)のがれがたけれ共
浅草(あさくさ)の仁王を朱(しゆ)に色(いろ)とるも見ものにかふるの働(はたらき)
あればとがめあらしと唯(たゞ)絵そらごとの諺(ことはざ)にのがれ
ぬむかし/\観(くわん)世音(をん)浅草川より誓(ちかい)の網(あみ)にうつら
せたまひてもろ/\の諸願(しよくわん)成就(しやうしう)二世安楽(あんらく)の御尊(こそん)像■■
申も無勿体(もつたいなし)代々目出度(めてたき)御堂(みとう)の寿(ことぶき)を筆(ふで)にあらわ
し実(まこと)に最殊勝(しゆしやう)なる事凡(をよそ)日本の崑崙山(こんろんざん)こそと申は
浅草(あさくさ)の金龍山(きんりうさん)之 江戸おやまゑ 画工 芳月堂 丹鳥斎 奥村文角梅翁政信拝画