此巻にかいつけたるは西の宮の夷うたにして三とせ
か間足たゝぬ腰のをれたることの葉なからいはくす船に乗
のきて高山の手の風のまに/\はなちすてたるされことなりき
むかしなにはの鯛屋の何かしもこの釣竿の糸にかゝり磯辺に
たかき石田未得も歌膝の茵とはなりけらしかゝりしより後
この神の氏子やゝひろこりてろ詞の高盛膳うり買に
手をうちむれて夷講のはつかならすいまやとち万両の春の
けしきを和歌夷の草帋にのへやかて梓の木作りと
なせしを浅草の市はやくも唐丸かうはひ行しは
おのれか家のあきものゝさきはひをいのるこゝろになん
とりのはつ春 宿屋飯盛

画像リンク先
国立国会図書館貴重書画像データベース 和歌夷で検索