跋文

右此■(音ヘンに區)狂言詞。悉雖有音節 章句人々加於当流秘蜜放心 可諷者也 擅画 北尾雪坑斉 画像リンク先 東北大学附属図書館 狩野文庫本画像データベース 跋文画像

跋 右のたはれ歌(うた)はもとよりものしる人の 目(め)にもふるべき物(もの)にあらずたゞ僕(やつかれ)が子孫(しそん)の 教誡(けうかい)ともなして難波(なには)のよしあしをもしら しめ伊勢(いせ)の浜荻(はまおぎ)のかた葉(は)なるも直(すぐ)なる 御代(みよ)に…

紺屋(こんや)の明日(あす)あさてとかぞへたる日の 空色(そらいろ)に。初日朝の紅染(へにぞめ)をまじへて。 江戸紫(ゑどむらさき)の春(はる)の曙(あけぼの)名にしあふ。一(いち) 陽斎(ようさい)が上絵(うはゑ)をもて。春は華色(はないろ)に 白揚(しろあがり)…

先(さき)に北尾重政勝川春章互(たかひ)に筆(ふんで)を下(くだ)して往々(わう/\)美(び) 人の容貌(ようほう)を戦(たゝかは)しむ今又北尾政演再(ふたゝ)ひ毛延寿(もうゑんじゆ)に 傚(なぞらへ)て花柳(くるは)の名妓(めいぎ)を画(ゑが)く誠(まこと)に眉(まゆ)…

つく/\あか友かきをかそふるに酒をたしむは 凡十かやつこゝのつにしてしかも古のやつの山人にも ゆすらすなゝつのかしこき人にも越たり一酔 千日樽を枕とし糠を籍物とすある日たま/\ 枕をもたけて安房と上総とを望む烏呼天地は 一大劇場也なみの引幕道具…

此巻にかいつけたるは西の宮の夷うたにして三とせ か間足たゝぬ腰のをれたることの葉なからいはくす船に乗 のきて高山の手の風のまに/\はなちすてたるされことなりき むかしなにはの鯛屋の何かしもこの釣竿の糸にかゝり磯辺に たかき石田未得も歌膝の茵と…