絵本続江戸土産序
武蔵野(むさしの)ゝ月とは往昔(むかし)の名にして
今や人家(じんか)建(たて)つゞきてめでたき土地(とち)
の賑(にぎは)ひわきて上野(うへの)浅草(あさくさ)の春(はる)の景(け)
色(しき)より吉原(よしはら)の雪(ゆき)のあしたまでを
画(ゑ)にうつしてさきに西村重長なる
もの江戸みやけとなん題(だい)し三つの
巻(まき)となし人のめをよろこばしぬ今はた
是(これ)にもれたるをつたなき筆(ふで)につゝりて
続江戸土産(ぞくゑどみやけ)と号(なつけ)童児(どうじ)の翫(もてあそ)びにせむ
と思(おも)ふ事しかり
目出たきはるの旦
画工 鈴木春信

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