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一 古人(こじん)名画(めいぐは)の中(うち)殊(こと)に勝(すぐ)れたるを
えらひあつむ筆のあたり遠近(えんきん)の
位(くらゐ)心を付らるへし墨のこきうすき
は筆のたてはしめひきすてにても
しれ侍るへし
一 うす墨のくまとりは板(はん)にうつされさる
ゆへに細点(さいてん/ちよぼ/\)をくはふる者也細点はみな
すみうすきくまとりとしるへし
一 序(じよ)にいふことく書画(しよぐは)ともに筆道は同(おなし)
ものなれは此画法(ぐははう)を学(まな)ふときは筆の
道(みち)活溌々地(くはつはつ/\ち)なるへし
活溌々地:精神・気力が充実し勢いのよいさま。活気があふれているさま。