桜(さくら)を見(み)ては紅葉(もみぢ)を思(おも)ひ雪月(せつけつ)
花(くわ)の外(ほか)顔見(かほみ)を有(あり)三ヶの津同(をな)し
と言(い)へと他(た)は日(ち)を窮(きはめ)す武江(ぶこう)は
霜朔(さうさく)時(とき)を違(たが)へす旭(あさひ)に
向(むか)ふ三番叟(さんばさう)絶(たへ)すとふたりの大入
其(その)繁昌(はんじやう)を北尾氏(きたをうぢ)の画(ぐは)に
写(うつ)し三家栄種(さかえぐさ)と題(だい)しぬ
過(すぎ)たるは及(およば)さるにはしかじとやまん
事(こと)の足(た)らさるは井(ゐ)の内(うち)の蛙(かはづ)の
ふつゝかとゆるしたまへ
 莫逆 新泉陳人誌