君(きみ)のめぐみぞありがたき四(よ)ツの海(うみ)
しづかにして皆(みな)兄弟(けいたい)のむつみ
をなし春(はる)の雨夜(あまよ)のつれ/\
ばなしつわものゝまじわりたの
みある中(なか)のいさをしをかたるに
まかせて書(かき)つゞり二巻(まき)のさうし
となりしも画工(くはこう)が筆(ふで)のいき
ほひしげき武者(むしや)のはやしと
題(だい)して直(すぐ)なる御代(みよ)を仰(あを)ぐ
の基(もとひ)となすものならし
 卯のとし
 はつ春めでたき日