凡(およそ)句中(くちう)に画(ぐは)あるものあり画中(ぐはちう)に
句(く)あるもの有(あり)其(その)句中(くちう)に画(ぐは)ある
物(もの)に門生(もんせい)花藍(くはらん)が四時(しいし)の図(づ)を儲(まふけ)て
とりあへず世都(よつ)の登起(とき)と題(だい)す
されど一ひらに都鄙(とひ)昼夜(ちうや)陰晴(いんせい)の
混合(こんがう)ありて絵難房(ゑなんぼう)の怖(をそ)れなき
にしもあらずこは画中(ぐはちう)の句(く)なり
さればと見(み)ゆるしたまへ
 日居月諸中に虚実の花もみち
 東都 一陽井素外
安永甲午歳