絵本(ゑほん)千々武弥満(ちゝふやま)

北尾(きたを)左助(さすけ)源重政(みなもとのしげまさ)筆鉾(ひつほう)
の鞘(さや)をはづし机上(きしやう)に
むかつてこれを揮(ふる)ふ
に猛相(もうさう)の画図(ぐはと)忽然(こつぜん)と
顕(あら)はる猶(なを)侍(かたはら)に記録(きろく)
を添(そへ)て智(ち)をめぐらし
仁(じん)をほどこし勇(ゆう)をはけ
ましむ是(これ)を三冊子(さんさつし)に兼(けん)
備(び)して負嫌(まけきら)ひの嬰児(ゑいじ)
の玩(もてあそび)となす事(こと)しかり
 浪花 玄々斎